はたらくときのルール
おとなは、いろいろな仕事をしていますね。みなさんは、おとなになったら何になりたいですか。
ケーキ屋さん、幼稚園のせんせい、看護師(かんごし)さん。みなさん、それぞれに将来なりたいものがあるでしょう。
さて、ケーキ屋さんといっても、ケーキ屋さんを自分でやりくりするばあいと、ケーキ屋さんにつとめるばあいは、立場がちがいます。
ケーキ屋さんを自分でやりくりする人を、お店の「経営者」(けいえいしゃ)といいます。経営者は、お店のもちぬしですから、どこにお店をつくるか、お店の名前はどうするかを考えるところから始めます。そして、どんなケーキをつくるか考えたり、材料を買ってきたり、すべてを自分で計画しなくてはいけません。それだけ、やりがいもありますが、責任もあります。お店が大きくなれば、他の人をやとい入れて、みんなにやる気を出させなくてはいけません。ぎゃくに、ケーキが売れないと、お店をやめなくてはならなくなります。
一方、ケーキ屋さんにつとめるばあいは、お店の経営者のいうことを聞いて、そのとおりにケーキを作ります。そして、決まった日にお金をもらって、それで生活をします。こういう人を「労働者」(ろうどうしゃ)といいます。
こうやって会社につとめる人が多いのです。ですが、労働者は経営者の言うことなら何でも聞かなくてはならないかと言えば、そんなことはありません。それが、「はたらくときのルール」です。
ルールがなかったらどうなるでしょうか
むかしは「はたらくときのルール」がありませんでした。労働者はある日とつぜん仕事ができなくなって生活にこまったり、若いうちに死んでしまったりしました。みなさんぐらいの小さな子どもまではたらかされていました。いまでもルールのない外国では、学校に行けずに、はたらかされている子どももいます。それではみんなが困ります。
人々が安心してくらすために、「はたらくときのルール」が必要です。国民みんなで決めたルールが「法律」(ほうりつ)です。法律は、たまたま多くの人がなっとくしただけであって、正しいかどうかはわかりません。ですから、法律は変わることもあります。みなさんもおとなになったら、そういう話し合いに参加して、ルールを変えることができるようになります。
ルール1 お互いがやくそくをします
経営者と労働者は、かならずはじめにやくそくをします。
- 時間−何時から何時まではたらくのか
- 場所−どこではたらくのか
- 仕事の内容−どんなしごとをするのか
- 賃金(ちんぎん)−いくらもらうのか
こういうものを紙に書いておきます。これを「契約書」(けいやくしょ)といいます。あとで「そんなの言ってない」、「聞いてない」とけんかになってはいけないからです。
ルール2 やくそくを簡単になかったことにしてはいけません
みなさんも、お友だちとあそぶやくそくをしたのに、「やっぱりあそばない」なんて言われたら、いやな気持ちになりますよね。
経営者と労働者がはたらくやくそくをしたあと、経営者が「やっぱり、このやくそくはいやだからなかったことにしたい」と言ったとしても、労働者がなっとくしないかぎり、簡単にそのやくそくをなかったことにしてはいけません。むずかしい言葉では、「解雇」(かいこ)といいますが、労働者を解雇することはかんたんではありません。
そのぎゃくに、労働者は「このやくそくをなかったことにしたい」と言ったら、経営者がなっとくしなくても、だいたい1ヶ月たったら、なかったことにしてもいいことになっています。
ルール3 やくそくを変えるときは、お互いになっとくしてから
みなさんも、お友だちとあそぶやくそくをしたのに、かってに変えられたらいやな気持ちになりますよね。
やくそくの内容を変えたいときは、お互いになっとくしてから変えなくてはいけません。お互いに言い分があってなっとくできないときは、他の人が聞いて、「それなら変えることも仕方ない」というようなことでないかぎり、経営者がやくそくを変えてはいけません。
ルール4 休むこともだいじです
労働者は、決められた時間にはたらいていますが、その時間の中で賃金をへらされずに休むことができます。これを「有休休暇」(ゆうきゅうきゅうか)といいます。すくなくても何日休むことができるかは法律で決まっています。
ルール5 たくさんはたらいたら、たくさん賃金をもらいます
1日のうち8時間、1週間のうち40時間をこえて、たくさんはたらくことは、とても体にわるいことです。それに、夜の10時から次の日の朝の5時までの間にはたらくことも、体にわるいことです。
ですから、そういうときは、さいしょのやくそくよりもいっぱいお金の受け渡しをしないといけません。どれぐらいたくさんなのかは、最低でもこれぐらいと法律で決まっています。
このほかにもルールがあります
5つのルールをお話ししました。このほかにもルールがあります。
こういうルールがあることを、おとなでも知らない人がいます。ぜひ、今回まなんだことをまわりの人におしえてあげてください。
ところで、ルールがやぶられたらどうしたらいいでしょうか。ルールをやぶった経営者をとりしまる「労働基準監督署」(ろうどうきじゅんかんとくしょ)というところもあります。
そして、にいがた青年ユニオンは、そういう労働者があつまって、経営者と話し合いをしています。こういう集まりを労働組合(ろうどうくみあい)といいます。みなさんもはたらくようになったら、にいがた青年ユニオンに入って、経営者と話し合うことができるようになります。
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